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経済政策学科

【授業紹介:中小企業論】泉田幸太郎先生による「中小企業DX × Notion実践講座」2週連続プログラム

  • 2025.12.5
  • 経済政策学科

 「中小企業論」では、システム開発やAI活用支援の専門家として活躍されている泉田幸太郎先生を招き、「中小企業DX × Notion実践講座」を2週連続で実施しました。デジタル活用が進む現代において、中小企業がどのようにDXに取り組むべきかを、講義と実習の両面から体験的に学べる内容となりました。

1日目:AI時代のDXを理解し、Notionで顧客管理DBをつくる

 初回の授業では、まず中小企業が直面するDXの課題について、泉田先生の実務経験に基づく講義が行われました。AI技術が急速に進む中で、業務の属人化やデータの散在、ノウハウの継承不足といった現場特有の問題が依然として残っていること、そして「AIは便利だが、決して魔法ではなく、最後の判断や検証は人が担う必要がある」という現実が丁寧に示され、学生にとってDXへの姿勢を考える重要な手がかりとなりました。

 講義の後半では、ノーコードツール「Notion」を使った実習が行われました。学生は講師のガイドに従って、新規ページの作成やメニュー操作を確認しながら、顧客情報を管理するためのデータベースを自分の手で構築しました。顧客名やメールアドレス、ステータス、優先度といった項目を設定し、架空データを入力することで、情報を“構造化して整理する”というDXの基本的な考え方を体験的に学ぶことができました。Notionを初めて触る学生も多い中、全員が授業の終盤には自分の顧客管理データベースを完成させることができ、デジタルツールを使った実務イメージが具体的に掴める時間となりました。

2日目:小売店ダッシュボードの構築に挑戦

 2週目の授業では、前回作成した顧客管理データベースを踏まえ、さらに高度な機能に挑戦しました。まず、同じデータでも見方を切り替えられる「ビュー」、入力の型をあらかじめ整えておく「テンプレート」、そして複数のデータベース同士をつなぐ「リレーション」といった機能が紹介され、Notionが持つデータ管理の幅広さと奥行きを理解する時間となりました。特に、リレーションを使って別々のデータベースを接続すると、相互に情報が自動で紐づく仕組みは、情報管理の基礎構造を理解するうえで大きな学びとなりました。

 その後はグループに分かれ、小売店の業務を想定したダッシュボード作成に取り組みました。複数のデータベースを作成し、それぞれをつなげながら、実際の店舗で使えるような情報管理システムを構築していきました。限られた時間の中で、互いのアイデアや工夫を共有することで、情報管理の視点がさらに深まりました。

 2週にわたる本講座を通じて、学生はAIとDXの現実、情報を整理・構造化する重要性、そしてNotionを活用したシステム設計の基礎を体系的に学ぶことができました。単なるツールの操作を越え、デジタル技術を用いて「課題を言語化し、解決策に落とし込む」というDXの本質に触れる貴重な時間となりました。

 泉田幸太郎先生、2週にわたるご指導ありがとうございました。今回得た学びを、今後の学修や地域企業への理解に活かしていきたいと思います。