NEWS

外国語学科

シリーズ:日本語能力試験(JLPT)合格のためのヒント 第5回

  • 2021.09.21
  • 外国語学科

留学生のみなさんにとって、とても大切なのが日本語能力試験(JLPT)です。JLPTのN1やN2に合格している人は、どのような勉強をしたのでしょうか?合格したみなさんに話を聞くシリーズです。第5回は、マグダさんです。

おなまえ:マグダさん(現代社会学部外国語学科3年生)
出身:ポーランド
合格したレベル:N3・N2

Q:JLPT合格のために、どのようなものを使って勉強しましたか。
A:日本語の授業で使われていた教科書を利用して、試験の準備をしました。自分にとって一番良かったのは「耳から覚える」というシリーズの語彙と文法トレーニングの教科書でした。それ以外には、「パターン別・徹底ドリル」という本を使いました。

Q:どのような勉強をしましたか。
A:なかなか座って、じっと勉強することができない私は、勉強と好きなことをできるだけ組み合わせるようにしました。例えば、植木(うえき)の剪定(せんてい)をしながら、授業で学んだ単語を繰り返して何度も聞くと(教科書にCDがついています)、自然に覚えていきます。また、母語であるポーランド語で何回も読んだ好きな本の日本語版を探して、読みました。既に読んで、内容は分かっていましたから、日本語の文法や言葉の意味、使い方を理解することができましたし、漢字の勉強もすることができました。同じ本を朗読したCDも見つけて、バスの中や時間がある時によく聞きました。

Q:勉強のなかで、むずかしかったことは何ですか。A:日本語そのものを学ぶのに一番難しいと感じているのは、母語であるポーランド語の教科書や辞書が少ないということです。日本とポーランドは距離的に、文化的に、言語的にとても遠い国で、日本語を勉強するための教材がこれまであまり作られていないみたいです。それで、日本語の文法や単語の意味、使い方のニュアンスを理解するのが難しかったです。

Q:あなたの将来の夢は何ですか。
A:自分が属している修道会はポーランド人によって日本で創立されました。この不思議な神様の導きを思いめぐらしながら、二つの国にある修道院とのコミュニケーションのために今得ている知識や能力を使いたいです。また、いつかポーランドに帰ったら、子どもたちに日本語や日本の文化を教えることが出来たらいいな~と時々考えています。

Q:これからJLPTを受ける人たちに、アドバイスをお願いします。
A:やさしいアドバイスではないかもしれません(笑)が、日本語の文書を多く読むことは、JLPTの合格に役に立つと考えています。留学生、特に漢字を使わない国から来た人は日本語の文書を読むのが苦手みたいです。自分自身も漢字の1ページを見たら、すぐ怖くなって、「読もう」という気持ちがなかなか生まれにくいです。しかし、読んでいくうちに、だんだん文書の流れが分かるようになって、それぞれの文書スタイルの読み方にも慣れてきました。また、JLPTには関係ありませんが、読むことを通して、日本語で文書を書けるようになるに違いありません。

マグダさんの高い日本語能力にはいつも驚かされていますが、時間があるときに、日本語のCDを聞いたり、日本語の本を読んだり、努力しているからこそ、あれほどすばらしい日本語を話したり書いたりできるんですね。なるほど、と感動させられました。マグダさんも言っているように、マグダさんの母国であるポーランド語で書かれた日本語のテキストや辞書はほとんどないので、日本語を勉強するときにはとても苦労されたようです。そのようなむずかしい状況の中でも、いい本を探したり、いい勉強方法を見つけたり、マグダさんはいつも自分でくふうして、積極的(せっきょくてきに)に学ぼうとしています。何か好きなことをしながら(体を動かしながら)、

耳で日本語を聞いて勉強する、という勉強方法も、とてもいいですね!木を切りながら日本語の勉強なんて、マグダさんらしくて、チャーミングで、ステキなお話でした。いつかポーランドで、子どもたちに日本語や日本の文化を教えてくださる日がくることを心から楽しみにしています。

日本語教育センター