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経済政策学科

【学生行事】「にじ」に託した思い/にじフェスを振り返る〔1/2〕

  • 2023.08.22
  • 経済政策学科

 みなさん、5月に開かれた「にじフェス」には参加しましたか? 

 世界各国の食べ物、ライブパフォーマンス、そしてビンゴゲーム。とても賑やかで、笑顔の飛び交う一日でしたね。

 ところで、このフェスには「にじ」という名前がついています。この「にじ」は、「虹」 (にじ) ? それとも「レインボー」・・・?

 じつは、ここには世の中に対する特別な思いが込められています。発起人のひとり、山口詩織さん(経済政策学科 4年生)に聞きました。

 

にじフェス

 

——「虹」「レインボー」は、しばしば「性」の多様性を表すシンボルとして使われます。最近は「レインボー・パレード」なども有名になりました。山口さんもそこからヒントを得たのでしょうか

山口 そうですね。性については私の友人のあいだでも様々な考えがあります。最近はLGBTなどの言葉が広がり、多様な考え方、多様なアイデンティティが広く受け入れられています。しかし、そういう言葉や知識だけが独り歩き (ひとりあるき) することには心配もあります。自分とは別世界の人たちのことだ、と受け取られることもありそうだからです。

 実際には、多様性というのはもっと身近なところにあるものです。だれしも様々な「違い」をもっている。性に関わる違いだけではありません。学年の違い、出身地域の違い、食べ物の違い、などなど。そうした色々な人たちが自分と同じ場所で暮らしていることが大事だと思います。

 そこで、こうした様々な違いに目を向けてほしいと考えて今回のイベントを企画しました。イベント名は、平仮名 (ひらがな) の「にじ」を使って「にじフェス」としました。これならば、だれにとっても分かりやすく、親しみが感じられるだろうと思ったのです。

 

——身近な多様性を「学ぶ」のが「レインボーウィーク」だったのですね。その一方で、「にじフェス」の当日は多様性を「感じる」ことを掲げていました。その狙いは何でしたか?

山口 それは「みんなで一緒に何かをしていく」ことです。もちろん、様々な立場や考えを尊重することは大事です。しかし、それだけでは人と人の間に垣根が残ってしまう。多様性は身近なものとならないでしょう。そこで、一緒に行動し、交流することで、そうした垣根を乗り越えていってほしいと思いました。

 たとえば、障がいのある人と、ない人が、一緒に韓国料理を作る。上級生も、下級生も、工夫し合ってその料理を販売する。こういう過程を「楽しむ」ことで、会話が生まれると思います。すると、共通の興味もわいてくるでしょう。

 私自身も、今回の行事は友達や先生と色々な話をする中で考え付きました。このように、新しいものが見えてくること、生まれてくことが大事だと思ったのです。

 

にじフェス

にじフェス

——「にじフェス」のコンセプトは「何色にもとらわれない色を作りたい」ということでした。これは赤色や紫色がバラバラになっていることではなく、そのなかから新たな色を生み出すことだったんですね(!)

山口 はい。そういう意味では、当初、考えていた理念をもっと強調しておけばよかったと思います。それは「多様性」だけでなく、その間を「繋ごう (つなごう) 」というコンセプトでした。書くとこのようになります。

  多様性

   ~繋ぐ~

 残念ながら、このうち「~繋ぐ~」という部分は企画が進むにつれて抜け落ちてしまいました。しかし、違いを違いのままにするのではない。「楽しむ」ことで何かを変えていこう、ということは「にじフェス」全体の柱だったと思います。

 

――「にじ」というイメージカラーのもとで「~繋ぐ~」をめざしていたことがよく分かりました。にじは「7色」だけでなく、国や言語によって「5色」だったり「2色」だったりします。このように、様々な受け止め方が可能であることも「多様性 ~繋ぐ~」のポイントかもしれません。

後半の記事では、来年の実行委員長である永田恭平さん(3年生)と意見交換をしていただきます。

(続く)